社会福祉法人名北福祉会綱領

社会福祉法人「名北福祉会」は、社会福祉運動のセンターであり、施設は国民の社会福祉施設です。

<はじめに>

「名北福祉会」は、1963年10月1日紡績工場で働く若い女性たちが地域の働く人々と力を合わせて「共同保育所」をつくったのがその出発点です。

夫婦で働かなければ生活が苦しいという社会状況のなかで生まれ「共同保育所」は、あらたに「わたしたちも働きつづけたい」という女性の自立への願いを保障し、また「共同して子育てをする」というすばらしい生き方を生みだすことになりました。

みんなで共同し、理解し、分かち合い、たかめ合うという民主主義の基本を大事にしながらの運営は、さらに大きな共同へと発展する力を生みだしてきました。

「国民の権利としての福祉」をかかげた運動は、わたくしたちのねがいをかなえるだけにとどまらず、大きな社会的発展を生みだしました。社会を動かし、あらたな制度を生みだしました。そのことがさらにまわりの多くの人々の理解、協力、ささえの輪を広げていきました。

なにもないところから、みんなのちからと運動できずかれたこの施設は、国民共有の財産であり、つぎなるあらたな運動への源泉にしなければなりません。

ひとりのねがいから、社会にめをむけ、みんなのねがいにつなげてきた運動と成果は、みんなのたからです。

たいへんであっても、わたくしたちの運動や運営は、わたくしたち自身を育ててくれました。生せるちからとよろこびと、おおくのすばらしい仲間をつくることができました。

いっしょに運動したおおくの仲間が、保育所・学童保育所の運動、障がい者運動、教育運動高齢者運動など、各地で住民を主人公にする新しい運動を生みだしています。

このように発展してきた名北福祉会の歴史と成果を、いま、みんなで確認しあい、あらたな発展、団結の礎としましょう。

【住民が主人公】

1.わたくしたちは住民が主人公という立場にたち、社会福祉を充実させ国民の生活と権利をまもります。

【発達保障】

2.わたくしたちは、だれもが持っている人間として発達する権利を保障します。

【社会保障の充実】

3.わたくしたちは、だれでもが健康で楽しく、安心して暮らす総合的な社会保障、社会副制度の確立、拡充をめざします。

【実践と運動の発展】

4.わたくしたちは、国民のいのちとくらしが等しく守られ、だれでもが人間として発達する権利が保障されるよう創造的な実践をすすめ、その理論化を追求します。

【民主的経営】

5.わたくしたちは、働く仲間の生活と権利をまもり、発展させます。また、地域社会やおおくの働く人々の連帯と協力のなかで、自主的・民主的な経営を推しすすめます。

【平和・環境は福祉の源泉】

6.わたくしたちは、人間の尊厳と生存に直接かかわる仕事に従事するものとして、平和・環境は最大の課題です。この課題をぬきにして、社会保障・社会福祉の充実はありません。わたくしたちは主権者として平和とより良い環境を自らきずきあげる運動を積極的にすすめます。

わたくしたちは、この目標を実現するために、社会福祉のあらゆる要求と運動を統一し、憲法をくらしに生かし、社会進歩と社会福祉の前進をねがうすべての人々と手を結んで活動します。